人生は喜ばせごっこ。
大人になって知った、あるヒーローが教えてくれた人生の真髄
誰もが一度は通る道。
アンパンマン。
私も幼少期はもちろん、娘が生まれてからも、一緒にアニメを見て、歌を歌い、おもちゃで遊びました。アンパンマンミュージアムやミュージカルにも行きました。
でも、子どもの頃はもちろん、最近までの私は、何の疑問も持っていませんでした。
アンパンマンは正義の味方。
ばいきんまんは悪者。
勧善懲悪の、子ども向けのアニメ。
でも、違ったのです。
昨年放送された朝ドラ『あんぱん』をきっかけに、私は初めて、その作品が生まれた背景を知りました。
戦争の苦しみの中から生まれたヒーロー
朝ドラ『あんぱん』を通して知ったのは、アンパンマンは決して簡単に生まれた作品ではなかったということでした。
作者・やなせたかしさんは戦争を経験しています。
生きたくても生きられなかった人たちを目の当たりにし、愛する弟さんも戦争で命を落としました。
やなせさんが戦争の中で、何よりも辛かったと語っていたというのが、「空腹」でした。
「戦争はとにかく腹が減る。人間いちばんつらいのはおなかが減っていることなんだ」
「人間、飢えてくると、人を裏切ってでも何とか食べようとする。考えもおかしくなってくる」
人は、お腹が空くと心の余裕を失います。
追い詰められれば、人間性さえ変えてしまう。
だからこそ、やなせさんは「敵を倒して去っていくだけのヒーロー」ではなく、「空腹で困っている人たちに分け与えるヒーロー」を描いたのです。
アンパンマンは、自分の顔を分け与えます。
それは、自分を削ること。
痛みを伴うことです。
それでも、目の前で困っている人がいれば迷わず差し出す。
見返りも求めず自己犠牲を払ってでも助ける。
なぜ、そこまでするのでしょう。
その答えは、やなせさんが人生をかけてたどり着いた、一つの言葉につながっていました。
「愛と勇気だけが友達さ」の本当の意味
アンパンマンマーチ。
この歌詞の意味も、これまでは深く考えたことがありませんでした。
この歌詞について調べてみると、やなせさんは、
「戦う時は友達を巻き込んじゃいけない、戦う時は自分一人だと思わなくちゃいけないんだということなんです。」
と著書で述べています。
空腹で苦しむ人を助けることを、自分は選ぶ。
でもその選択を他人に強いることはできない。
正義とは、本来そういうものなのかもしれません。
自分が信じた正義を、自分自身で貫くのです。
とはいえ、アンパンマンは決して一人ではありません。
アンパンマンが顔が濡れて力が出ない時、秒速で新しい顔を焼き上げるジャムおじさん。
どんな距離からでも百発百中、アンパンマンの首めがけて、新しい顔を投げてくれるバタコさん。
しょくぱんまんやカレーパンマンをはじめ、ピンチの時助けてくれる仲間たち。
最後に覚悟を決めるのは一人でも、支えてくれる人はいる。
一人で覚悟を決めることと、一人ぼっちで生きることは違う。
そのことも、アンパンマンは教えてくれました。
ばいきんまんは、本当に悪者なのだろうか。
もう一つ、考えさせられたことがあります。
ばいきんまんです。
菌はパンを腐らせます。
でも、パンは菌がなければ作ることができません。
つまり、互いに相反する存在でありながら、互いがいなければ成り立たない存在でもあリます。
アンパンマンがいるから、ばいきんまんがいる。
ばいきんまんがいるから、アンパンマンの正義が見えてくる。
どちらか一方だけでは、この世界は成り立たないのかもしれません。
そう思った途端、ばいきんまんがなんとも愛おしい存在になりました。
戦争も同じではないでしょうか。
どちらも、自分たちこそが正義だと信じています。
だから、「どちらが善で、どちらが悪か」と簡単に言い切ることはできません。
やなせさんは、そんな戦争を経験したからこそ、「時代が変わっても覆らない正義とは何か」を問い続けたのでしょう。
人は、目に見える行動だけで判断してはいけない。
その人には、その人なりの背景があります。
その人には、その人なりの守りたかったものがあります。
だから私は、相手の背景や思いを想像できる人間でありたい。
表面だけを見て決めつけるのではなく、その奥にあるものにも目を向けられる人でありたい。
それが、アンパンマンから大人になった私が学んだことです。
「人生は喜ばせごっこ。」
やなせたかしさんの人生を知り、アンパンマンが生まれた背景を知った時、この言葉の重みはまったく違って聞こえます。
やなせたかしさんは、著書の中でこんな言葉を残しています。
僕たちが生きているのは、人を喜ばせるためなのです。
どんな人も、誰かが喜ぶ顔を見ているのがいちばんうれしいのです。
苦しみを知った人だからこそ、人を喜ばせることの尊さを知った。
誰かのお腹を満たすこと。
誰かを笑顔にすること。
誰かの心を少し軽くすること。
人を喜ばせることこそが、人が人として生きる意味なのかもしれません。
私がこれから大切にしたいこと
私にも、信じていた人に裏切られ、苦しかった時期がありました。
あの頃の私は、目の前の幸せよりも、失ったものばかり見ていました。
幸せとは、特別な何かを手に入れることだと思っていました。
でも今は、少し違います。
娘が笑うこと。
「ママ」と呼んでくれること。
何気ない日常を過ごせること。
そんな一つひとつが、今の私にとってかけがえのないものです。
幸せは、日常の中にありました。
そんな日常の幸せを残したくて、私はサブスタで「小さな幸せシリーズ」を書いています。
最初は、自分自身のための記録でした。
でも、その記事を読んで「ほっこりしました」と言ってくださる方がいました。
その瞬間、私は気づきました。
サブスタもまた、「喜ばせごっこ」なのだと。
誰かを喜ばせることは、世界を変えるような大きなことじゃなくてもいい。
娘と笑い合うこと。
「ありがとう」と伝えること。
困っている人にそっと声をかけ寄り添うこと。
相手の背景や思いを想像しながら、言葉を届けること。
そんな小さな積み重ねが、誰かの今日を少しだけ温かくする。
そして、不思議なことに、誰かを喜ばせたいはずの私自身が、いつの間にか一番喜ばせてもらっているのです。
最後に
『何のために生まれて、何をして生きるのか。』
その答えを、私はまだ探している途中です。
でも今の私なら、一つだけ胸を張って言えます。
人生は喜ばせごっこ。
その言葉を胸に、
今日も目の前の1人を想い、
少しでも誰かの今日を温かくできる人でありたいと思います。
参考文献
* NHK連続テレビ小説『あんぱん』
* 『月刊なぜ生きる』令和2年8月号
* 『わたしが正義について語るなら』(ポプラ新書、2013年)
* 『アンパンマンのマーチ』(作詞:やなせたかし)
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私もたっぷを喜ばせる(*´ω`*)
たっぷさん、おはようございます😊
何十年子供達に見られてて、人気があるのか?話がわかりやすいだけじゃないような気がしました。子供達もそういうところ気づいて見てるのかもしれませんね🤗